
「ひと」に寄り添う空間デザインの可能性


ITOKI DESIGN HOUSEでは、『「ひと」を大切に見つめてつくるオフィス空間』がテーマとして掲げられています。その中で、私たちグリーンディスプレイは、植栽を通じて「リアルな自然感」と「抜け感」をキーワードに、空間全体のデザインに寄与しました。
ABWの考え方を取り入れた多様な空間に合わせ、植栽が単なる装飾にとどまらず、空間の一部として機能するような提案を行いました。
ABW(Activity Based Working)とは?
ABW(Activity Based Working)は、従業員がその時々の業務内容や気分に応じて、最適な場所を選んで働けるようにする働き方の考え方です。固定席に縛られず、集中作業、チームでのコラボレーション、リラックスしたコミュニケーションなど、さまざまな活動に適した空間を提供することで、働きやすさと生産性を向上させます。
今回、このABWの考え方を取り入れ、オフィス空間を「ひと」に寄り添う場としてデザインしました。
沖縄から仕入れた一点もののシンボルツリー「エバフレッシュ」


本プロジェクトの象徴ともいえるのが、沖縄で生産された特殊樹形のシンボルツリー「エバフレッシュ」です。エバフレッシュには、日中は葉が開き、夜間には葉が閉じるという習性があります。
そのエバフレッシュをシンボルツリーとすることで、「時間の経過を感じさせる仕掛け」を施し、オフィス空間に動的な表情を生み出しました。日中は窓からの自然光を受けて柔らかな影を落とし、夜間にはプランター上部に設置したアッパー照明が天井に幻想的な影を投影します。
このように、時間帯によって異なる表情を見せるエバフレッシュは、オフィスに「自然のリズム」を取り入れる象徴的な存在となっています。
植栽と什器の一体化 ─ デザインと機能の融合

窓際の植栽には、特殊な樹形を活かしながら高低差をつけた配置を採用。根本部分には適度な抜け感を演出し、窓の外の景色との調和を図りました。
また、窓際のベンチや什器には、あらかじめ掘り込み部分を設計段階から調整し、植栽を一体化させることで、空間全体の統一感を高めました。これにより、植栽が単なる「置き物」ではなく、空間の一部として機能するデザインを実現しています。
切り枝アレンジと寄せ植えで生まれる多様性


空間全体に点在させた切り枝のアレンジメントは、植栽演出にバリエーションを与え、柔らかな空間を演出しています。また、執務エリアにはあえて樹種を絞った寄せ植えを設置し、シンプルで洗練された雰囲気と適度な緊張感を生み出しました。これらの工夫によって、空間の用途や目的に応じた植栽デザインを実現しました。
事前シミュレーションと現場調整で形にする

このように細部にまで工夫を凝らした本プロジェクトは、事前のシミュレーションと現場での細やかな調整を基に実現されました。植栽のリズム感のある配置や樹形を最大限に活かすため、デザイナーとの密なイメージ共有を重ね、空間全体のバランスを徹底的に追求。その結果、「計算された美しさ」と「自然の不規則さ」が調和した空間が生まれています。
グリーンディスプレイが目指す未来の空間デザイン
ITOKI DESIGN HOUSEの事例は、グリーンディスプレイが目指す「人と自然が調和する心地よい空間」の表現の一つとなります。植栽は、ただの装飾ではなく、空間そのものの魅力を引き立てる重要な要素であることを、改めて感じていただけたのではないでしょうか。
これからも私たちは、空間に新たな価値をもたらす植栽デザインを提案し続けてまいります。
人と自然が調和する心地よい空間づくりにご興味のある方は、ぜひグリーンディスプレイにご相談ください。
